ナルホド!着物ことば

着物買取に役立つ専門用語

素材・織物

着物の種類と一言に言いましても、格ごとや素材ごとに様々に分類されます。たとえば、格ごとに分けるとするなら、最も格式の高いものとして既婚女性なら5つ紋の黒留袖、若い未婚女性なら大振袖、既婚未婚を問わない5つ紋の色留袖などが第一礼装としてあげられます。以下、略礼装の訪問着や付下げ、おしゃれ着の小紋や紬・絣、普段着の浴衣など続いていくのです。これらの格には、着物の素材も大きく関わっていきます。今回は、それを簡単にご説明しましょう。まず、着物の素材として、生地の染め方が重視されます。染めには、糸を染めてから織る先染めと、白生地を織り上げてから色柄を染める後染めの2種類があるのです。先染めのことを一般に織物といい、後染めのことを染物といいます。

このうち、後染めの染物は格の高いフォーマルなものに使われ、留袖や振袖、訪問着、付下げなどはこちらにあたります。一方、先染めの素材・織物は、フォーマルなものには使われませんが、高い技術力を誇る伝統工芸として大切にされているものも多く、素朴でかつ味わい深く、また着心地の良さもあって、着物通の方から喜ばれ、昔は普段着だったものが今では高級なおしゃれ着として人気を博しているのです。それでは、代表的な先染めの素材・織物をご紹介しましょう。まずは、紬です。紬は、手織りの織物で、糸の太さが均一でないところが素朴で深い味わいがあるとされています。中でも、結城紬や大島紬は伝統工芸品としても有名で、織りから完成までに1年程かかると言われています。

もちろん、高価ではありますが、大変丈夫な素材でもあることから、何代にも渡って着ることができると喜ばれているのです。夏によく着られる、紗も先染めの織物です。サラっとして、通気性がよく、網目のような透け感が美しい盛夏にはふさわしい素材とされています。ただし、白生地の紗は染めである友禅の生地として用いられることがあります。他に時代劇などでお馴染みの、黄八丈も織物の1つです。東京の南、八丈島で織られたこちらは、とても粋な色や柄とあって、大変人気が高い着物です。以上が、織りの素材として代表的なものでしたが、最後に染めの着物もご紹介しておきましょう。染めといえば、なんといっても手描友禅でしょう。手描友禅とは、全ての工程を手作業によって描き染めていく技法です。色彩豊富で非常に美しく、布に描かれた日本画といった芸術品そのものといえます。まさに、フォーマルな場にはもってこいでしょう。